ごあいさつ


B棟管理者 武田 洋子

 この度、初代・田角勝先生の後任として、大田区立障がい者総合サポートセンターB棟管理者を拝命しました。

 B棟の事業は、「社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会」が大田区から受託運営している、医療と福祉の連携による総合的な障害者支援です。重症心身障害児(者)の短期入所と発達障害児への対応を柱に、行政や学校とも協力しながら、相談・診療・療育・放課後等デイサービスなど、多様な業務を展開しております。
 2019年3月のオープンから、すでにたくさんの方々のご利用をいただき感謝しております。

 私は1992年から法人のもと、障害者医療の道に入りました。
小児科医ですので、それまでは子どもばかりを見ておりましたが、重症心身障害の分野では、出生時からの疾患をかかえて成人した方々とそのご家族も、全体として長期にわたり支援することになりました。私の叔父も重度の障害者でしたので、祖父母たち家族が、絶える日もなく皆で介護をしておりました。そうした当時の記憶が、いつもどこかで私の想像力になっていたように思います。

 そしてここ、さぽーとぴあで、行政の事業システムと新しい時代の施設環境の中、時を過ごせる障害者の方々の幸福をしみじみと思います。居心地よく過ごしていただけるよう、スタッフ共々努力したいと思います。
 
 発達障害の分野では、一人一人の手続き書類に、学校の先生方のご苦労と教え子にかける思いが読み取れ、またご家族も我が子のためにと腐心され、深い敬意を覚えます。
 私たちのミッションは、医療・福祉、それぞれの専門職が個々の特性を見極め、良き社会人となるための支援を実践していくことにあると思います。

 自分たちの力もまた磨きながら、子どもたちの将来のため、お役に立ちたいと思います。
近未来の社会で、それぞれの子どもたちが生活者となり、人を大切にできる若者となる日を祈りながら…。



社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会 基本理念

守る会の三原則

一 決して争ってはいけない
  争いの中に弱いものの生きる場はない

一 親個人がいかなる主義主張があっても重症児運動に参加する者は党派を超えること

一 最も弱いものをひとりももれなく守る


親の憲章

 

(生き方)

一 重症児をはじめ、弱い人びとをみんなで守りましょう。

一 限りなき愛をもちつづけ、ともに生きましょう。

一 障害のある子どもをかくすことなく、わずかな成長をもよろこび、親自身の心をみがき、健康で  豊かな明るい人生をおくりましょう。


(親のつとめ)

一 親が健康で若いときは、子どもとともに障害を克服し、親子の愛のきずなを深めましょう。

一 わが子の心配だけでなく、病弱や老齢になった親には暖かい思いやりをもち、励まし合う親とな  りましょう。

一 この子の兄弟姉妹には、親がこの子のいのちを尊しとして育てた生き方を誇りとして生きるよう  にしましょう。


(施設や地域社会とのつながり)

一 施設は子どもの人生を豊かにするために存在するものです。施設の職員や地域社会の人々とは、  互いに立場を尊重し手をとり合って子どもを守りましょう。

一 もの言えぬ子どもに代って、正しい意見の言える親になりましょう。


(親の運動)

一 親もボランティア精神を忘れず、子どもに代って奉仕する心と行動を起こしましょう。そして、  だれでも住みよい社会を作るよう努力しましょう。

一 親の運動に積極的に参加しましょう。親の運動は主義や党派に左右されず、純粋に子どもの生命  の尊さを守っていきましょう。